会頭挨拶GREETINGS

会頭挨拶

 この度、第74回日本小児保健協会学術集会を、2027年6月18日(金)から20日(日)の3日間にわたり、やまぎん県民ホール (山形県総合文化芸術館)、山形テルサにて開催させていただくこととなりました。

 小児保健協会は、前身である1933年の日本小児保健研究会創立以来、長きにわたって病気や障害のあるこどもを含め、すべてのこども達それぞれの成長をささえていく小児科医、保健師、看護師、歯科医師、行政担当者、教育関係者の集まりとして発展してきました。多職種が連携し、子どもを育み支える職種横断、社会実効性の高い公益社団法人です。

 医療技術は進歩し、多くのこども達がその恩恵を受けていますが、近年は社会に余裕が無くなり一見健康そうなこども達を含めその医療上、また保健上の課題は山積みです。新生児マススクリーニングの公的負担対象疾患は拡大していますが、脊髄性筋萎縮症ならびに複合型免疫不全症の検査は未だ公的負担には至っていません。予防接種は公的負担が波及してきましたが、いまだ十分とは言えません。2025年の自殺者は19,188人と微減しましたが、実は19歳以下の自殺者は増加しています。児童虐待相談対応件数は年間223,691件にも達しています。若年世代がSNS等を通じて犯罪に巻き込まれる事例は後を絶ちません。技術の進歩は、未だ難治な疾患の終末期の在り方や、遺伝性疾患のいのちの選択といった多様で複雑な生命倫理課題を突きつけてきています。

 これまで73回を数える本協会の学術集会では、医療的ケア児の地域支援の充実や災害対策、チャイルド・デス・レビューの導入と課題、こどもの自殺予防、児童虐待の早期発見と支援体制、母子保健事業の再構築、地域医療と子育て支援の連携強化、学校保健における実践的支援、命の授業や性教育の在り方、そしてインターネット利用による様々な障害など、子どもたちの心身の健やかな成長を脅かす多くの課題への取り組みを議論してきました。今回の学術集会でも、引き続きこれらの課題に関する最新の研究成果や実践的取り組みの共有を通じて、現場に即した支援の在り方を模索し、多職種間の率直で活発な意見交換をいただきたく思います。

 第74回大会では、「君が君であり、僕が僕であるために」をテーマに掲げました。単にこども達の成育を支援するということだけでなく、それを通じて自らも自分らしく成長するという意図を込めています。特別講演、教育講演、シンポジウム、一般演題、市民公開講座など、幅広いプログラムを通じて、参加される皆様の実践と研究の一助となる学術集会を目指します。

 山形は、東北の南部に位置し、魅力的な食と自然と人々に溢れております。さくらんぼも美味しい6月の山形で皆様とお会いできることを心より楽しみにしております。

第74回日本小児保健協会学術集会
会頭  三井 哲夫
山形大学医学部小児科学講座

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